テレビ業界用語の大御所とは?
テレビ業界では、誰もが認める業績やキャリアを持つ偉大な人物を大御所と呼びます。
お茶の間に浸透している大御所と言えば、演歌の北島三郎さん、俳優の渡哲也さん、「お笑いビッグ3」のビートたけしさん、タモリさん、明石家さんまさん、「芸能界のご意見番」の和田アキ子さんなどが挙げられます。
大御所になると、テレビ番組やイベントでトリを務めます。たくさんのタレントが参加する番組やイベントでも「あの大御所がトリなら、誰も文句を言えねえ」となるわけです。テレビ業界のいわゆる「偉い人たち」も大御所には頭が上がず、信じられないくらい低姿勢になります。
トリと言えば、公共放送局で年末に行われる歌合戦で、毎年「誰がトリを飾るのか?」が話題になります。最近はなぜか公共放送局が視聴率を気にしているので、大御所の意見より視聴者の顔色を気にする傾向にあり、テレビ業界人としてはハラハラドキドキしながら発表を楽んでいます。
大御所になると、映画の試写会終わりで必ず芸能リポーターにコメントを求められたり、全く見当違いな分野の話題でもコメントを求められたりします。
大御所は模範となるべき存在なので「やかましいわい!ほっとけよ」と簡単に言い返すことができません。また、おバカな意見を言うこともできないので、意外と気苦労が多いようです。
ちなみに、大御所になると、自然発生的に「あだ名(ニックネーム)」が付きます。
北島三郎さんは「オヤジ」、ビートたけしさんは「殿」、萩本欽一さんは「大将」、和田アキ子さんは「ゴッドねーちゃん」などなど。あだ名を見るだけでも「大御所ってすげえ」と思ってしまいます。
おしまいに、僕が実際にテレビ業界で働いて思ったことは「大御所ほど人を惹きつける何かを持っていて、たくさんの人から尊敬されている(愛されている)」ということです。
特に、歌手や役者の大御所は「人間としてのオーラが違いすぎる」と圧倒されてしまいます。人間的にもすばらしい人格者が多いです。