テレビ業界用語のエキストラとは?
エキストラとは、ドラマやバラエティ番組の通行人や群衆で「ほとんど目立たない役目を担う出演者」を意味するテレビ業界用語です。
そのため、メインキャストと違って、セリフを与えられることも、番組のエンドロール(クレジット)に掲載されることも基本的にありません。
ほとんど目立たないエキストラですが、ドラマやバラエティに臨場感を持たせるため、そして番組を盛り上げるため、欠かせない存在であることも事実です。
エキストラ専門の芸能事務所があるくらい需要が高い役だと言えます。
ただし、ギャラが安い(ノーギャラ、交通費と記念品、弁当のみ支給というケースも結構多い)ので、エキストラ一本で食べていくことは至難の業です。
本業をこなしながら、エキストラをしている人がほとんどです。
そのため、将来役者を目指してエキストラをしている「プロ志望」と完全なアルバイトとしてエキストラをしている「アマチュアタイプ」に分けられます。
エキストラは「普通であること、生活に馴染んでいることが大切」と言われるように、メインキャストと違って、容姿が特別イケてる必要はありません。
背が低いことも高いことも、やせていることも太っていることも、髪の毛がフサフサなことも薄いことも、すべてエキストラの需要につながります。
以前は「美男美女すぎると、メインキャストより目立つのでエキストラに向かない」と言われてきましたが、最近は美男美女のエキストラも増えてきました。
モデル事務所に所属する駆け出しのモデルさんがエキストラとして出演することも珍しくないんです。でも、需要を考えると、圧倒的に「普通の人」のほうが多いと思います。
番組制作サイドからすると、エキストラを集めるのは意外と骨が折れる作業です。
エキストラを募集する方法は、エキストラ専門の芸能事務所に頼んだり、番組のホームページで公募したり、ロケ地で調達したり、いろいろなケースがあります。
ちなみに、ロケ地でエキストラの調達に成功し、町をあげて協力してもらう場合は、番組のエンドロールに「ラッパ市のみなさん」と感謝の意味を込めて掲載されるケースが主流になっています。
忘れがちなスタッフが増えていますが、番組作りは視聴者の協力で成り立っている証拠ですね。
エキストラを集める予算や時間がないときは「内トラ」と呼ばれるエキストラが番組に出演します。
「内トラ」とは「内部のエキストラ」。つまり、番組スタッフがエキストラとして出演するんです。
僕もやむを得ず2度出演したことがありますが、客観的に観て「キツいなあ」と心から思ってしまいました。やっぱり、エキストラは大切ですね。