テレビ業界用語のバーターとは?
バーターとは「ある売れっ子タレントさんと一緒に同じ事務所の別のタレントさんを出演させること」を意味するテレビ業界用語です。
売れっ子タレントさんと一緒に(多くの場合)これから売り出そうとするタレントさんを抱き合わせて出演させることで注目度を高める狙いがあります。
ドラマやバラエティ番組を制作する場合、どこかにバーターが存在すると言っても過言ではありません。
ドラマで主役を演じる役者さんと事務所の後輩、旅番組でメインリポーターを担当するタレントさんと盛り上げ役として起用される事務所の後輩。
あまり役に立たない知識ですが、慣れてくると「バーターじゃねえ?」とすぐにわかります。
どちらかと言えば悪いイメージのあるバーターですが、制作サイドや事務所サイドからすると、悪いことばかりではありません。
例えば、地方で制作される単発のドラマ。制作サイドから「(主役と同じ)事務所の若い役者さん、いませんか?」と尋ねることがよくあります。
役者さんを起用する場合、その役者さんだけでなく、マネージャーさんや付き人、場合によってはスタイリストさん、メイクさんの交通費、宿泊費、食事代などを確保する必要があります。
別々の事務所からタレントさんをブッキングすると、それだけお金がかかるんです。
その点、主役の役者さんと同じ事務所の後輩を起用すれば「バーター割引」を駆使して経費を抑えることができます。
事務所サイドも、若手の役者さんがオーディションを受けることなく、ドラマに出演することができるため、一石二鳥というわけです。
良いことだらけに思えるバーターですが、大きな落とし穴もあります。
バーターで起用するタレントさんは基本的に知名度が低く、情報が少ないため「番組の雰囲気に全然合わない」と撮影中に気付くこともあるんです。
こうなると、痛々しい映像がお茶の間にオンエアされることになります。バーターの悪いイメージをお茶の間に与えているケースは、まさにこれです。
番組を酷評された結果、制作サイドも事務所サイドも痛手を負うことになります。制作サイドは事前にバーター出演者の過去の作品を確認して、ある程度の予習をしておきましょう。
逆に、バーター出演者が番組にフィットしてクオリティが上がりまくることもあります。そうなると、制作サイドも事務所サイドもウハウハです。
良いも悪いもバーターの起用法次第。番組を制作するスタッフはバーターの落とし穴に注意しましょうね。